異聞太平洋戦記

APIOの河野社長から、柴田哲孝(しばたてつたか)氏の『異聞太平洋戦記』が面白いと紹介されたので、早速購入して読んだ。ゼロ戦の撃墜王である坂井三郎氏の『大空のサムライ』を読んで感動して、海上自衛隊に入ったので、それなりに戦史や戦記は読んでいる。高校生くらいの時に、『どうも、太平洋戦争はおかしいぞ?』と思うようになった。それ以後、その真相を探るのが私のライフワークの一つだ。海上自衛隊の教育航空司令部に勤務していたときに、海上自衛隊が編纂した『太平洋戦史』全部を読んだ。確か50巻くらいあった。小説でなく、事実の羅列なのでとても面白くなかったが、兎に角読んでみた。すると分かったことがある。あの戦争は、最初から勝とうとしない戦いではなかったのか?ということだ。普通は戦争をするときは、勝とうとする。ところが、小さな戦闘では、日本海軍や陸軍が奮闘努力しているのは伝わるのだが、大きな動きで見ると、負けるために戦争をしたのではないかというような動きが随所に出てくる。それ以後、ずっと、太平洋戦争には疑問を持っている。
ところが、それは少なくない数の人が私と同じような感じをもっているのが分かったのがこの本『異聞太平洋戦記』だ。真珠湾攻撃で、米軍が日本の艦隊と米海軍の船が出会わないように船を下げたこと。日本海軍が、無線封鎖をしないで、盛んに日本へ通信を行った事実。日本軍が真珠湾のドッグや石油基地を攻撃しなかった事実。もし石油基地とドックが破壊されたら、米国艦隊は1年以上動けなかったと言われていて、もし、日本軍がそれを攻撃していれば、太平洋戦争の終結はあと2年くらい遅れたと推定できるのである。早く戦争を終わらせるために、最初から考えられていたとしか言いようのない事実なのである。
また、山本五十六大将の戦死も、以前から不可思議なことが多すぎて議論を呼んでいた。この本では拳銃で心臓を撃たれていることによる他殺であり、何者かに『介錯された』というのが真相のようだ。事実はわかったとしても、『どうして?』という疑問はいまだに解けない。
面白い本です。
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