キネティックロープ

ジェットホイルの桟橋で、船に使うロープが沢山巻いてあるので写真をとった。船舶で使われるロープは、海上自衛隊の護衛艦や民間のフェリーにいたるまで、殆どがこのロープを使用している。
海上保安庁の船のもやいロープ。これもキネティックロープ

フェリーで使用している錨用のキネティックロープ。とても太い。

実は、このロープは弊社で販売しているキネティックロープである。呼び方は多少違うところもあるようだが、同じものだ。これは日本だけでなく、世界的に同じである。材質はテトロンである。太さ=強度であるため、錨用はとても太い。弊社では、3トン、4.5トン、8トンの3つをロープ屋さんに特注で編んでもらっている。このロープが、なぜ船の世界で広くつかわれるのか? それには理由がある。
1.紫外線に強い
2.オゾン劣化しない
3.海水、水に強い
つまり、船の甲板においておいてもほとんど劣化しないのだ。
イギリスは、オフロードではこのキネティックロープを多用する。ランドローバーといえば、このロープが定番だ。海賊の血が流れているからか?などと考えてしまう。アメリカは、圧倒的にストラップだ。軍用車や戦車でも、ストラップを装備している。日本は、ソフトカーロープが誕生してから、4駆は圧倒的にそれを使っている。ソフトカーロープの特許が切れたので、台湾製の安いものも沢山ある。でも、これは、日本だけだ。ソフトカーロープタイプのものは切れると、とても危険ということで、PL訴訟王国のアメリカでは、全く販売できないのだそうだ。
キネティックロープは、少し値段が高いのか?あまり売れない。しかし、けん引用具の中では、ソフトカーロープとストラップの中間的な性能を持ち、適度に伸びるので、素人でも容易、安全にけん引できる。衝撃が少なくて、牽きやすいのだ。また、取り扱いが簡単という大きなメリットがある。耐候性能に優れることは前述した。素手で取り扱えるし、ほとんどメンテがいらないというメリットもある。擦れて、ロープが摩耗してくると多少強度は低下するが、それは眼で見て判断できる。泥などで汚れてしまったら、バケツにいれて水洗いか、洗濯機で洗うときれいになる。とても優れた性能をもつロープなのである。
これを販売して15年くらい経過するが、このロープを4駆用に販売しているのは、今でもワイルドグースだけである。ワイルドグースはマニヤチックすぎるのかな?
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