戦艦三笠

先日、横須賀に行ったときに散歩がてらに、戦艦三笠まで歩いていった。海を見ていると、疲れた目が修復される。せっかくなので、パンを買って三笠で昼食にした。
そのあと、バルチック艦隊と日本艦隊の交戦記録を眺めていたら、説明員の方が来て、日本海海戦の説明をしてくれた。話し方、動作、知識どれをとっても、元海上自衛隊の幹部だったと思われる人だった。その人の説明で、40年間疑問だった日本海海戦の神髄が理解できた。せいぜい10分程度の時間である。私はどうしてT文戦法、トウゴウターンと言われるものの意味が分からなかった。合戦図をみても、シュミレーションの模型を見ても、T字になっている場面がどこにもないのだ。それを、その説明員の方は司馬遼太郎氏の『坂の上の雲』で有名になったので誤解する人が多いのだが、あれはT字戦法をバルチック艦隊にしかけて失敗したのだそうだ。そこで東郷提督は、敵の頭を押さえる艦隊運動を行い、同行戦闘に持ち込んだのだそうだ。日本艦隊のすごさは、一つは大砲の命中率がロシアより高いこと。そして、艦隊決戦は1回でなく、10回行われて根こそぎロシア艦隊を撃沈した。その執ようさは、太平洋戦争では一度もなかった。相手を徹底的に攻撃して壊滅させるという攻撃精神のすごさであるという。なるほどと感心した。ちなみに、日本海海戦記録は、太平洋戦争でほとんどが焼失、1セット残っていたものを米軍のGHQが持ち帰ったため、もう日本にはないと思われていた。ところが、天皇陛下の御文庫に1セット残っていて、今はそれが防衛省戦史室にあるという。司馬さんは、それを読んでいなかったという。もしそれを読んでいれば、『坂の上の雲』のストーリーは「少し変わったろうと言われているそうだ。長年、疑問だったこと理解できて、興味深い一日だった。こなこともあるんですね。
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